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12.132021
再婚した場合の相続はどうなるの?(前婚での子供との相続は?)

1.再婚した場合誰が相続人となるのか?
再婚した場合に前の配偶者(夫・妻)及び子供との関係、再婚した現在の配偶者(夫・妻)及びその連れ子、新たに生まれた子供との関係などその形態により複雑となるので整理して考える必要があります。
①再婚した場合の前の配偶者(夫・妻)及び子供との相続関係はどうなるの?
配偶者がいる場合には、常に配偶者は相続人となりますが、既に法律上、配偶者でなくなった場合(離婚した場合)には、相続人にではなくなります。離婚すればお互いに法律上の関係はなく、赤の他人となってしまいます。
しかし、子供については、夫婦各々の相続人となるので注意が必要です。
将来、夫婦どちらかが亡くなれば、子供に相続の権利がありますので、その時点で、相続の問題が発生します。
②再婚した現在の配偶者(夫・妻)及びその連れ子、新たに生まれた子との相続関係はどうなるの?
現在の配偶者(夫・妻)は法律上の配偶者ですので、お互いに相続人となります。
しかし、お互いの連れ子については、各々の相続人(夫の連れ子は夫の相続人、妻の連れ子は妻の相続人)となるにすぎません。夫の連れ子は妻の相続人にはなれません。
また、妻の連れ子も夫の相続人にはなれません。それぞれの子が配偶者(夫・妻)の相続人となるためには養子縁組をする必要があります。養子縁組をしなければ法律上は相続人にはなれません。
一方、現在の夫婦の間において生まれた子は当然相続人となります。
このように、連れ子がいた場合には、将来、親の死亡による相続が発生した場合に、子供間で相続人となる者、ならない者が生じ、後々子供間での不公平感による相続問題が発生する可能性があります。
③相続問題が発生しないための解決策は何?
再婚した場合、子供の関係で、将来、相続問題が発生しないように十分考える必要があります。自分の子供の間でお互いが揉めることとなるのを望む親はいないと思いますので、親の責任としても是非、考える必要があります。
その対策の一つとして、遺言書の作成があります。再婚の場合、可能であれば現在の配偶者(夫・妻)の理解を得て、円満に遺言を作成することがベターです。
前婚での子、現在の配偶者、配偶者の連れ子、新たに生まれた子の各状況を踏まえて、遺言書を作成してはいかがでしょうか。
但し、配偶者の連れ子を除いては、遺留分(こちらをご覧ください)の権利がありますので、特に前婚の子については、後々もめないためにも最低限遺留分に配慮した遺言書(特に公正証書遺言書)を作成することがベーターです。
④再婚夫婦の一方が親からの財産を相続し、自分が亡くなった場合に配偶者及び配偶者の子に相続させたくない場合どうしたらよいのか?
再婚の配偶者(夫・妻)の親(父・母)が亡くなり相続で取得した不動産(家・土地)等を自分が亡くなった場合、自分の子に相続させ、今の配偶者及びその子には相続させたくないと思う事案も実際起こることがあります。
例えば以下のような場合です。
再婚の妻の母親が亡くなり、妻が母親の不動産(家・土地)等を相続で取得した場合、妻が先になくなれば、夫と妻の子が相続人となります。少なくとも夫は1/2の財産を取得する権利が生じてきます。もちろん夫の子(先妻と同居)は相続人ではありませんので相続の権利はありません。
そして、その後夫が亡くなれば、先妻との子が夫のすべて財産を取得し、妻の子は相続人ではありませんので、この場合、取得する夫の相続財産はありません。
妻としては、自分の親から相続で取得した財産は自分の子に相続させたいと思うのは一般的に理解できることですし、親として当然そのように思うのではないでしょうか。
この場合も、妻が再婚の夫の理解を得て、自分の子に不動産(家・土地)等を相続させるという思いを記載した遺言書を作成して、対応することが必要となります。
妻の死亡後、夫と妻の子との仲が悪くなり、もめ事になるかもしれませんので、そのような場合も想定して、信頼性の高い「公正証書遺言(こちらをご覧ください)」の作成をおすすめします。
以 上。
なお、遺言書(特に公正証書遺言)の作成のご相談は、じょう行政書士事務所まで。
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じょう行政書士事務所では、『遺言・相続手続き』講座を毎月第2・第4土曜日に開催しています。
【ひとこと終活ガイド(その13)】
今回は、「デジタル終活」についてです。次回以降3回にわたって記載します。 「デジタル終活」とは、デジタル分野の終活のことをいい、一般的に“デジタル遺品”といわれるものを整理しつつ、終活全体を考えていくことを総称して呼びます。 本質的には、従来の終活とデジタル終活に大きな差はありませんが、苦手意識がある人が多いのも事実です。また、デジタルデータに関わるトラブルに直面しやすいのは、デジタル分野に不慣れな高齢者ではなく、日常的にデジタル機器を使う40~50代と言われています。 〇普通の「終活」の認知度が90%を超えているにもかかわらず、「デジタル終活」を知っていると答えた人の割合は30%程度と言われています。 現代社会においては、スマホは生活に必要なアイテムとなっています。皆さんの中にもスマホを一日でも家に忘れてしまったら、不安になってしまう方も多いと思います。 生活に必需品となっているスマホだからこそ、ご自身がしっかり管理する重要性が高くなっており、将来的にデジタル終活にも繋がります。 まずは、「ご自身が何かあった時に困らないようにする」ことが、「大切な家族を困らせないようにする」ことに繋がります。
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